奏さんの透き通った声は、すぐに私の耳に入った。

「瑠海ちゃん、あったよ。」

奏さんの後をついていってみると、

弟が好きそうな感じの鬼滅の刃のぬいぐるみだった。

これとさっきのでいい感じかな。

「瑠海ちゃん、出来る?」

「大丈夫ですよ。」

出来なさそうに見えるけど、

私、できる方だと思うし。

「やった。1発でとれた!」

奏さんは、目を見開いていて。

「瑠海ちゃん、凄い!」

「あの、もう1つやりたのあるので、やってもいいですか?」

「いいよ。」

もう1つのも取れたし、安心と喜びがいっきに来た。

それから、ゲーセンに少し居てから、

雑貨系とかも見た。

「わぁ〜、紙石鹸だぁ。」

半透明にグラデーションがかったケースで、匂いは、ラベンダーの香り。

欲しいと思ってたし、ついつい買っちゃった。

「瑠海ちゃんは、何飲む?」

「この、苺の奴で。」

スタバに来たけど、コーヒーとかは飲めないし。

期間限定の苺!


「瑠海ちゃんは、コーヒーとか苦手なの?」

「苦いの苦手で。」

「僕は、コーヒー飲めるようにはしてるかなぁ〜。」

そっかぁ。

ドラマとかもあるもんねぇ。

「これ、プレゼント。」

「え?」

紙袋の中には、私が欲しいとゲーセンで見つめていたぬいぐるみだった。


「あの、良いんですか?」

「無理やりだったと思うし、良いんだよ。」

だって、スタバも奢ってもらっちゃったし。