テーブルの上の医学書を棚に戻し、相談室や掃除を和都が終えた頃、「大丈夫ですか!?」と廊下が騒つく。

「何があったんでしょう?」

「君が見てきてくれ」

結弦にそう言われ、和都はドアを開ける。すると廊下に男性が倒れており、その男性を他の相談員や受付の人が取り囲んでいた。

「だ、大丈夫ですか!?」

和都も慌てて駆け寄り、男性の脈などを知らべる。脈も呼吸もしっかりしており、眠っているだけだとわかった。

「顔色もそれほど悪くないし、貧血とかではなさそうだけど……」

他の相談員が言い、和都は「とりあえず、この人を運びましょう」と言い相談員の仮眠室へと男性を運ぶ。

ベッドに降ろされた男性は、まるで死んだように眠っている。よほどの寝不足だったのかと和都は一瞬思ったが、男性の顔に隈などは見当たらない。

「受付の話によると、歩いていたら急に眠ったそうだ。この人から話を聞いた方がよさそうだな」