一時停止の恋

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無事入学試験に合格し、私は高校生になった。


新しい制服を着て、新しい靴を履き、新しいカバンを持って、私はバスに乗った。


彼のことを思い出す。


「名前、知りたかったな……」


あれから、彼とは会っていない。


これからは別の路線のバスだし、もう会うことはないのかもしれない。


それは少し残念だけど……。


窓ガラスにぼんやりと映った私は、やけに楽しそうだった。


「発車します」




――バスが揺れ、動き始めた。