まるで眠っているようだと、茉莉花は思った。

「そんな…!」

茉莉花は清瀬の躰を揺すった。

「起きてください、目を開けてください!」

茉莉花は叫んで何度も清瀬の躰を揺するが、彼の目は開かなかった。

信じたくない!

死んだなんて、信じたくない!

茉莉花は目の前に起きているその出来事を夢だと思いたかった。

誰かが自分に見せている悪夢だと、そう思いたかった。

だけども、
「――清瀬さん…」

どんなに躰を揺すっても声をかけても、清瀬の目が開くことはなかった。

どうして、自分は何もできないのだろう…?

そう思ったら、
「――ッ…」

茉莉花の目から涙がこぼれ落ちた。

そのとたん、周りが昼のように明るくなった。