【side 樹】


……初めて、だった。
こんな気持ちになったのは。




「なにしてるの?」


それは、僕がまだ七歳の頃。
家の最寄りの公園でひとり遊んでいると、僕より少し背の高い女の子が興味津々に話しかけてきた。

引っ越してきたばかりでまだ友達のいなかった僕は、突然のことにビクビクしていた。


なにしろ、その頃の僕は今よりずっと人見知りで警戒心が強かったから。


「ぼく、ひとりなの?」

「そ、だけど……」

「じゃあ、私と遊ぼ?」

「え……」


ね?、と同調を求められ、僕は困惑する。

別にひとりは慣れっこだし。
単純に遊びたかったから来た、それだけだ。誰かと遊びたいなんて、そんなことこれっぽっちも思ってない。……はず。