クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~

「え? あ、私は、いないわ。誤解されたくない人も」

「じゃあ、社長とふたりになっても大丈夫ですね? あ、社長ならセクハラするような人じゃないから大丈夫ですよ?」

「ち、違うのよ。光琉ちゃん、私ね、この前エレベーターの中で社長に物凄く失礼なことを言ってしまったの」

「ん? どんなことですかぁ?」

 紫織は事情を説明した。
 女子ロッカー室で、社長にはマンション毎に愛人がいるという噂を聞いたこと。
「エレベーターで、自宅マンションの話になってね、良かったらマンションを貸そうかって言ってくださったのに」

 ケラケラと光琉が笑う。

「陽子さんの話を本気にしちゃだめですよぉ。陽子さんのこと、私は『妄想の女王さま』って呼んでいるんですけどね。陽子さんが言う男女の話は全部ただの妄想ですから」

「妄想の、女王……」

「そうですよ。よっし!決まり〜。じゃあ、お願いしまーす。社長と、ちゃんと仲直りしてくださいね」

「え、いや、それは」

「実はここだけの話。ちょっといま社長に近づきたくない理由があるんです。紫織さんは口が堅そうだから言うんですけど、いいですか? 内緒ですよ」