具現化アプリ

あの時ノドカはメッセージをしながら頬を赤らめていたんだっけ。


「その人とうまく行ったってこと?」


質問すると、ノドカは頷いた。


「他校の人なんだ」


そう言って写真を見せてくる。


そこに映っていたのは鼻筋の通ったカッコイイ男子生徒だったのだ。


あたしは自分の目を疑った。


ノドカはいつの間にこんな人と知り合ったんだろう。


あたしが人気者になるために必死になっていた時に、ノドカはこんな恋愛をしていたなんて……!


そう考えると、とたんに腹が立った。


ノドカはあたしを称賛しながらも、影では笑っていたのではないかと思えてきたのだ。


細かいことを問い詰めようとした時だった。


教室のドアが開いて先生が入ってきた。


「みんな、いったん席につけ!」


暴走族騒動で騒ぎになっていた教室内が、ひと先ず静かになる。