具現化アプリ

答えに窮していたその時だった。


遠くからパトカーの音が聞こえてきて、クラスメートたちは一斉に窓へと視線を向けた。


「パトカーだ!」


「先生が通報してくれたんだ!」


「よかった、これで助かる!」


その姿にホッとした時だった。


「さっきは危なかったね」


と、声を掛けられて振り向いた。


いつの間にか近くにノドカが立っている。


その顔は少しだけ笑っているように見えて、ムッとした。


「どこに行ってたの」


「どこって、教室の隅っこに逃げてたんだよ」


「あたしが困ってるの見てたんでしょう? どうして助けてくれないの?」