具現化アプリ

「もう何人かが学校の中に入ってきたって! どうするの!?」


「ミキコ、どうにかしてよ!」


「え?」


突然話をふられてあたしは目を見開いた。


「そうだよ! 予知夢を見るくらいなんだから、どうすれば助かるかわかるよね!?」


「それは……」


そんなのわかるわけない。


そう言いたかったが、言えなかった。


「頼むよ飯田!」


あまり仲良くない男子生徒まであたしにすがりついてくる。


「ちょっと、やめてよ」


必死なクラスメートたちは目の色を変えてあたしに詰め寄ってくる。


逃げている間にあっという間に教室後方に追い詰められていた。


助けを求めてノドカを探すが、こんな時に限ってどこにいるのかわからない。


「助けてよミキコ!」


「俺たち、どこから逃げればいいんだよ!?」


「えっと、えっと……」