あたしは背筋を伸ばして先生を見つめた。


そして真っすぐ右手を上げる。


「飯田、どうした?」


「先生、今日学校の暴走族が来ますよ」


突然のあたしの言葉に先生はキョトンとした表情を浮かべる。


一番に反応したのはノドカだった。


「どうしてそんなことがわかるの?」


「わかるよ。みんなも、あたしの力は知ってるよね?」


教室内を見回すと、大半の子たちが大きく頷いていた。


「昨日の夜夢を見たんです。沢山の暴走族が学校に押し入ってくる夢です」


「それはただの夢だろう」


先生は呆れた表情になって言った。


「でも、キミコの話は本物だと思う!」


クラスメートが声を上げる。


「あたしもそう思う!」


「きっと予知夢だったんだよ!」