あたしは適当にあしらいながらもらったチョコレートを口に入れる。


霊能力者はこうやってお金儲けをしているのかなぁなんて考えていると、担任の先生が教室に入ってきた。


「じゃ、また後で話聞いてよね!」


クラスメートたちは名残惜しそうにあたしから離れていく。


先生は真剣な表情を浮かべてクラスを見回した。


「吉田さんはまだ見つかりません」


吉田さんがいなくなってから、朝のホームルームも夜のホームルームも、必ず同じことを言うようになった。


みんなの顔を見回しながら言うのもだから、まるで生徒たちの中に吉田さん失踪の犯人がいると言っているような雰囲気だ。


その視線があたしとぶつかった。


一瞬すべてを見透かされているような気がして怯える。


しかし、先生はすぐにあたしから視線をそらした。


心配する必要なんてない。


あたしのやったことは誰も知らないんだから、堂々としていればいいんだ。