具現化アプリ

あたしは驚いて個室から出ることができなくなってしまった。


『そうだよね。全然自分の意見言わないし』


『ずーっと私たちの後ろをついてくるよね』


『まるで背後霊だよね~!』


みんなの言葉は胸に突き刺さる。


そんな風に思われているなんて知らなかった。


確かに自分の意見を言ってこなかったけれど、みんなと仲良くしたいからだった。


それなのに…‥。


あたしはこの時も、なにも言うことができなかった。


背後霊みたいだと笑われて悔しかったのに、またみんなに合わせてしまう。


中学に入学したらこんな性格は変えるんだと、自分に言い聞かせていたんだ……。