具現化アプリ

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その日の夜、連絡網で吉田さんがいなくなったことが回ってきた。


今、ご家族の人が総出で探しているらしいが、見つかっていない。


クラスメートたちは吉田さんと連絡が取れたら電話することになっているようだ。


「こんな時間になっても家に戻ってきてないなんて……」


あたしのお母さんはそう呟き、心配そうに時計を見つめた。


時刻は11時近い。


あたしはスマホを取り出し、一応吉田さんにメッセージを送ってみた。


《ミキコ:どこにいるの?》


そのメッセージに既読がつくことはなかったのだった。