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「ねぇミキコ、今日はなにも感じないの?」
教室へ戻ると同時にクラスメートたちが声をかけてくる。
「そ、それが……」
そう言い、あたしは口を閉じた。
みんなに見せるために用意した階段。
ピアノの時のようにちゃんと説明しなきゃ、見に行ってくれる子はいない。
あたしはチラリと吉田さんへ視線を向けた。
吉田さんはあたしをジッと睨みつけている。
腰を抜かしてしまったこと、あたしがそれを笑ったことを憎んでいるのかもしれない。
「今日は大丈夫そうだよ……」
「なぁんだ。今日はなにもないんだって」
「つまんなぁい!」
途端にクラスメートたちがちりぢりになる。
代わりに吉田さんが席を立って近づいてきた。
なんとなく嫌な気分がして逃げ出そうと思ったが、遅かった。
あたしは吉田さんにしっかりと手を掴まれてしまった。
「な、なに?」
「あたしはあんたのこと信じてないから」
そう言う吉田さんの目はすべてを見透かしているように見えて、思わず視線をそらせてしまった。
「ねぇミキコ、今日はなにも感じないの?」
教室へ戻ると同時にクラスメートたちが声をかけてくる。
「そ、それが……」
そう言い、あたしは口を閉じた。
みんなに見せるために用意した階段。
ピアノの時のようにちゃんと説明しなきゃ、見に行ってくれる子はいない。
あたしはチラリと吉田さんへ視線を向けた。
吉田さんはあたしをジッと睨みつけている。
腰を抜かしてしまったこと、あたしがそれを笑ったことを憎んでいるのかもしれない。
「今日は大丈夫そうだよ……」
「なぁんだ。今日はなにもないんだって」
「つまんなぁい!」
途端にクラスメートたちがちりぢりになる。
代わりに吉田さんが席を立って近づいてきた。
なんとなく嫌な気分がして逃げ出そうと思ったが、遅かった。
あたしは吉田さんにしっかりと手を掴まれてしまった。
「な、なに?」
「あたしはあんたのこと信じてないから」
そう言う吉田さんの目はすべてを見透かしているように見えて、思わず視線をそらせてしまった。



