具現化アプリ

そう考えなおしたあたしは、スマホで13階段の写真を検索した。


その中で一番自分の学校に近い階段を探して、スクリーンショットを撮る。


その時だった、スマホがメッセージを受信した。


《吉田さん:いい加減嘘はやめなよ》


その文章にあたしは顔をしかめた。


あれだけ怯えていたくせに、まだあたしに楯つこうとしているのが腹立たしい。


《ミキコ:なんのこと?》


《吉田さん:わかってるくせに! どうせ全部作りものなんでしょう!?》


そう言われ、あたしは一瞬ドキッとしてしまった。


まさか、吉田さんもあのアプリについて知ってる……?


そんな不安がよぎる。


《ミキコ:幽霊なんてどうやって作るの?》


そう送ると、返事はなかった。


やっぱり、ただのハッタリだったみたいだ。


ホッと胸をなでおろして明日の準備を再開させる。