具現化アプリ

「い、いやあああ!!」


1人が悲鳴を上げて逃げ出すと、後はパニック状態だった。


逃げ出すことができた生徒はまだいい方。


昨日の吉田さんと同じように腰が抜けてしまい、立てなくなる子も何人もいた。


中には泣きながらハイハイして移動する生徒までいる。


その光景を見てあたしは笑わないように必死だった。


あたしが作りだした幽霊で、ここまでクラスメートたちが右往左往するなんて、面白すぎる。


「今回も大成功だね」


A組へ戻ってきたとき、ノドカがそう耳打ちをしていた。


あたしは小さく頷く。


けれども今回はこれだけじゃ終わらなかった。


なにせ5時間も出現し続けるように設定したものだから、先生たちも大パニックになってしまったのだ。