具現化アプリ

「昨日の子は悪意を感じなかったけれど、今日は危ない感じがする」


「それって悪霊ってこと!?」


「そうかもしれない。この世に強い未練があるみたい」


あたしが考えてきた設定にみんなはキャアキャア騒ぎ出す。


「その霊はいまどこにいるの?」


「えっとね……あっちの方。なにか……音楽が聞こえてくる気がする」


あたしは音楽室の方向を指差した。


「それって音楽室じゃない!?」


ノドカがすぐに声を張り上げた。


その声に驚いたのかマナミとリサがビクリと体を震わせたのがわかった。


「行ってみよう」


あたしは他のクラスメートたちに連れられて、教室を出た。