具現化アプリ

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それから1日中、学校内ではトイレの幽霊の話でもちきりだった。


「キミコって本当に霊感があったんだね。今まで信じてなくてごめんね」


「今日は本当にビックリしたよ。幽霊なんて初めてみた!」


あたしの周りには絶えずクラスメートたちが溢れていて、次から次へと幽霊話をせがまれた。


あたしは今までついてきた嘘を思い出し、それを面白おかしくみんなに聞かせる。


輪の中にはもちろんノドカの姿もあった。


マナミとリサの2人は途端に大人しくなってしまって、『幽霊』という言葉が聞こえるたびにブルブルと震えていた。


2人は異様な怖がりだったのだ。


腰を抜かしてしまった吉田さんはそのまま早退してしまった。


これであたしの邪魔をする人間は1人もいなくなったのだ。


あたしはいい気分で、クラスメートたちに幽霊体験を聞かせたのだった。