具現化アプリ

「おーい?」


声をかけても反応はしない。


どうやらこの子は、だたここにいるだけみたいだ。


それだけでも十分怖い。


あたしは女の子の周りをグルッと一周してみた。


どこから見ても体は半分透けている。


そしてどこからどう見ても幽霊だった。


とたんに全身にゾクゾクと寒気が走った。


自分が作った幽霊に怯えたのではなくて、武者震いしたのだ。


これでみんなを見返すことができる!


あたしはニヤリと笑い、教室へと駆けもどったのだった。