具現化アプリ

「嘘つきごっこ?」


ノドカは首をかしげてキョトンとした表情をしている。


本当にわかっていないのか、本当はわかっているのにわからないふりをしているのか。


いずれにしても、その態度はマナミを怒らせた。


「テメェ、いつまでもふざけた態度してんじゃねぇぞ!」


マナミは怒鳴ると同時にノドカの肩を強く押した。


ノドカは体のバランスを崩してその場に倒れ込む。


土埃が舞い上がり、あたしはせき込んだ。


マナミがノドカの体の上に馬乗りになり、その頬を思いっきり叩いていた。


パンッ! と頬を打つ音が響く。


あたしは咄嗟にはなにもできず、呆然と立ち尽くす。


その隙にリサが近付いてきていて、あたしの頬にも痛みが走った。


ハッと我に返ったときには、自分の頬を自分の手で押さえていた。


「今度嘘ついたら、これだけじゃ終わらないからな!」


マナミは捨て台詞を吐き、リサと共に逃げて行ってしまったのだった。