必死に逃げ出そうとするが、逃げ場所なんてどこにもない。


次の瞬間、目の前に女子生徒の足が見えた。


ノドカかと思い、ゆっくりと顔をあげる。


しかし、そこに立っていたのはノドカではなく、吉田さんだったのだ。


青白い顔の吉田さんがあたしを睨みつけている。


「ヒィッ!!」


とっさに体の向きを変えて逃げようとする。


しかし、すでに消えてしまった両足を必死に動かしてみても、上手く進むことができなかった。


「ようこそ、七不思議の世界へ」


吉田さんはあたしに顔を近づけて言う。


「な、何言ってんの!」