具現化アプリ

なにかを期待してしまいそうで怖い。


「誰かアプリを使ってくれそうなヤツがいないかと思って、ノドカに相談したかったんだ」


「そ、そうなんだ……」


あたしはまだドキドキしている心臓に困惑する。


初めてコウダイに会った時からいいなと思っていたけれど、これじゃなんだか期待しているみたいだ。


「誰かいないかな? 好奇心旺盛な人……」


突然そんなことを言われても咄嗟には誰の顔も思い浮かばなかった。


このアプリが安全かどうかもわからないのに、自分の友人の名前を言うこともできない。


「ちょっと考えてみるね?」


あたしはそう言って、アプリがダウンロードできるサイトをお気に入りに入れて、帰宅したのだった。