具現化アプリ

映像ではなく、実物が目の前に出現するというのだ。


そんな話、信じられるものじゃなかった。


「こんなアプリ、どこで見つけたの?」


「都市伝説のサイトを回ってたら、偶然見つけたんだ。咄嗟にダウンロードしてみたけど、公式サイトでダウンロードしたわけじゃないから、使うのが怖くてさ」


そう言うと、コウダイはアプリをダウンロードしたというページを見せてくれた。


「確かに、こんなところからダウンロードしたアプリは、使うのが怖いよね」


自分だって、使うのは嫌だった。


あたしはチラリとコウダイを見る。


「もしかして、このアプリをあたしに使わせるために呼んだの?」


そう聞くと、コウダイはビックリしたように目を見開いた。


「ノドカにそんなことするわけないだろ!」


思っていたよりも全力で否定され、今度はあたしが驚いてしまった。


次にコウダイは頬を赤らめて顔を伏せる。


え……?


その反応に一瞬心臓が高鳴った。


今の反応っていったいどういうこと?