具現化アプリ

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そして、待ちに待った放課後がやってきた。


コウダイとの約束場所はお互いの中学校の中心にあるファミレスだった。


ここから歩いて10分ほどの場所だ。


学校が終わるとあたしはまずトイレに入って鏡で自分の姿を確認した。


特におかしいところはないと思うけど、一応ブラッシングしておく。


薄くリップを塗って、鏡を確認してみると、そこにはすごく緊張している自分の顔が映った。


「リラックスしなきゃ」


コウダイと会うのはなにもデートをするためじゃない。


そんな勘違いをしちゃいけない。


自分自身に言い聞かせて、深呼吸。


「よし、行こう」


あたしはようやく、トイレから出たのだった。