《ノドカ:はじめましてコウダイさん。あたしも怖い話が好きなので是非会話に混ぜてください!》


それは止まってしまった会話を元の流れに戻すための書き込みだった。


《コウダイ:ノドカさんはじめまして! 俺の中学では今、七不思議がはやってるんですよ!》


あたしとコウダイの出会いは、ここから始まった。


それからというもの、あたしとコウダイの2人はほとんど毎日オカルト系交流サイトで会話するようになったのだ。


といっても、もっぱら怖い話ばかりだし、他にも会話に入ってくる人は沢山いた。


ただ、『匿名希望』や『名無し』が続く中で、あたしたちの名前だけが浮きあがっているように見えた。


最初はそれが恥ずかしかったけれど、コウダイと会話を続けていると徐々に嬉しくなってきた。


不特定多数の人と会話をしていても、まるであたしとコウダイだけが同じ空間にいるような感覚になれたからだ。