具現化アプリ

あたしは意を決してコウダイくんを見つめた。


こちらはリスクを背負うのだから、少しは見返りを求めてもいいと思う。


「わかった、いいよ」


「本当に!?」


「その変わり」


喜ぶコウダイくんへ真剣な表情を向ける。


「なに?」


あたしはスッと息を吸い込んだ、


勇気を出して口を開く。


「ノドカと別れて、あたしと付き合って」


少しだけ声が震えた。


自分がなにを言っているのか、自分でも信じられない気分だった。