具現化アプリ

「これは学校の七不思議がある場所で撮影したものなの」


「学校の七不思議って本物だったのか!?」


「学校によって違うと思うけどね。今のところ6つめまで実在してた」


あたしはついさっき撮影したばかりの井戸の写真を表示させて言った。


どの写真を見てもコウダイくんは食い入るように見つめている。


「七不思議の残りひとつはなに?」


「残りは体育館の幽霊だよ」


「あぁ! 放課後、誰もいない体育館でボールの音が聞こえてくるっていう!?」


「うん、それだよ! まだ霊視してないから本当かどうかわからないけど」


「でも、七不思議って全部体験すると死ぬって言われてないか?」


不意に、コウダイくんが真剣な表情になった。


どうやら本気で心配してくれているみたいだ。


「そうだね。でも、それも地域差があると思うよ?」