あたしは一旦自分の席へ着くと、スマホを取り出した。


「それよりさ、昨日すごいものを撮影しちゃったの!」


雰囲気を出すために声を低くしてみんなに声をかける。


「すごいものってなに?」


一番に反応したのはやっぱりノドカだった。


ノドカは目をキラキラを輝かせてあたしを見ている。


「これだよ」


あたしは加工した写真をみんなに見せた。


「え、なにこれ」


ノドカが一瞬にして真剣な表情になり、写真をマジマジと見つめる。


「これってこの教室だよね? 窓のところが真っ白になってる!」


「本当だ……これって、昨日キミコが女の子がいるって言った場所だよね?」


「もしかしてこのモヤ、女の子の幽霊なの!?」


クラスメートの言葉にあたしは大きく頷く。


「そうだよ。やっぱりあの子はこの学校に未練を残して死んでいるの」


ノドカは両手で自分の体を抱きしめて身震いしている。