具現化アプリ

☆☆☆

次の学校の七不思議もなんの問題もなくやり切ることができた。


休憩時間中に桜の木の下に女性の幽霊を出現させる。


授業に入ってしばらくしたころを見計らい、大きな声で「あそこに女性がいる!」と、声をあげたのだ。


当然A組の教室内は騒然となる。


先生が桜の木の下へと駆けつける前に消滅するように時間設定を行っていたので、戻ってきた先生は顔面蒼白。


もう授業どころではなかった。


今思い出してみても、先生の反応は面白くて笑えてくる。


グラウンドに出た先生は、教室の窓から見たはずの女性を探してグラウンドを3周もしていたのだ。


どれだけ探しても、もう女性は出てくることはないのに。


クラスメートたちは先生と一緒になって女性を探しに出たりしていたけれど、その姿もまた滑稽だった。


みんなして、いない女性を探してくれたおかげで、今日もまた授業の大半がなくなった。