具現化アプリ

行方不明事件よりも、もっと面白いことが毎日起こっているのだから、当然のことだった。


あたしは鼻歌交じりに死体の写真を物色する。


最初の頃は偽物の写真ばかり使っていたけれど、最近はこれもリアリティのある写真を選ぶようになっていた。


少し検索してみれば、本物の死体写真が山ほど出てくるのだ。


それらを見るのは正直少しきつかったけれど、今よりももっと有名になるためには仕方のないことだった。


今日のプールに出現させた男の子の霊も、本物の写真を使用している。


だからみんなあれほど驚いてくれたのだ。


あれが偽物の写真だったなら、みんなあそこまで驚いてはくれなかっただろう。


作り出すものは偽物でも、やはりリアリティがある方がいいのだ。


「あった。これいいじゃん」


あたしは女性の死体写真を見つけて呟いた。


その写真はただ眠っているように見える奇麗な女性の写真だった。


しかし、女性の手は胸の上で組まれ、その手には白い花を壱輪握らされている。