具現化アプリ

☆☆☆

ダブルデートは成功とはいかなかったけれど、おかげでコウダイくんの連絡先をゲットしてしまった。


自宅に戻ったあたしはスマホの登録を見つめてニヤニヤと笑う。


桜翔太くんは偽物だったけれど、コウダイくんは本物だ。


桜翔太くんの方がずっとずっとイケメンだけれど、やっぱり本物のイケメンに勝るものはない。


「そういえばコウダイくんもオカルト好きそうだったなぁ。あたしと趣味も合いそうじゃん?」


それにあたしなら幽霊を出現させることができるのだ。


怯えてアプリを利用できないノドカとは違い、大きな武器がある。


オカルト好きなコウダイくんならきっと、あたしになびいてくれるはずだ。


「ふふっ! また会うのが楽しみだなぁ」


あたしはそう呟き、スマホを抱きしめたのだった。