具現化アプリ

「あるよ。誰も持っていないような特技だよ」


あたしの言葉にノドカの瞳が不安そうに揺らいだ。


「なんだよ、その特技って」


「信じないかもしれないけど、あたしには霊感があるの」


あたしはコウダイくんの目をしっかりと見つめていった。


嘘だと思われたくなかった。


「ミキコやめてよ!」


ノドカが焦ったように止めに入る。


しかし、もう遅かった。


コウダイくんは目を見開き、好奇心に満ちた表情に変わっていく。


「霊感って……本当に?」


「本当だよ。学校の幽霊だってもう何体も見てる。嘘だと思うなら、クラスメートに聞いてみてくれてもいいよ」


自身満々に言うと、コウダイくんはあたしの言葉を信用したようだった。