『あかりー。
早く起きなさい。遅刻するよー』


朝から、
お父さんの声。

「はーい。今起きるから」

過保護な父親は、起こすときも優しい。



私は高校2年生の
春野あかり
お父さんと二人暮らし

こんなに朝早く起きるのは、理由がある。


制服に着替え、居間のテレビの前に座る。


「お父さん、昨日のドラマ見るからね。」


そう、朝早く起きて、私は、昨日の、ベタベタな、ラブストーリーなドラマを見るためだけに、起きてます。


『あかり、ご飯ここおいておくからちゃんと、食べるんだよ。』


お父さんが話しかけているにも関わらず、ドラマに没頭する私。


もーー。このドラマ、話引っ張りすぎじゃない??


腹立つわ。


勝手にドラマをみて、勝手にコメントして。納得いかない様子。


『あかりー。
もう、学校に行かないと遅れるよー。』


「はーい。お父さん行ってきまーす。」