自分の中でなかなか決心が出来ずにいると、リビングにアイツが入って来たのが聞こえた。


「ったく、外あちーんだよ。あ、おばちゃんおはよう」
「おはよう、蓮君。桜来ー? 蓮君待ってるわよー!」
「うぅっ、今行くー」


もう後戻りは出来ないと自分の中でようやく決心がつき、洗面所から意を決してリビングに向かった。


「ごめんね、待たせて」


リビングにはアイスを片手にお母さんと話すアイツの姿があった。


「おはよう、蓮」
「……お、おはよう」


急に変わった私の姿に驚きを隠せない蓮。


「ごめんね、待たせちゃって! 行こっか」
「お、おう。アイスありがとう、おばちゃん」


おろおろとした様子の蓮の腕を取り、家を出た。