三年前


3年前、引っ越した先の隣に。社長がすんでいたのです。
社長ならいいところに、住むと思いきや、めんどくさがりの社長は、
引っ越しすることさえめんどくさくて、何十年も住み続けている。

そんな社長が、うちに居座ることになるきっかけは3年前。


社長の一番の問題は女ぐせ。


女のひとを、とっかけひっかえ、デートに誘い。

トリプルブッキングをおこした。

トリプルブッキングとは、私が勝手にネーミング。

社長はデートに、誘ったのはいいが、二人とも同じ場所に現れて、


それだけならまだよかった。


社長は、なんとか、ばれないように二人とデートしたが、行ったレストランに、一時間待ちぼうけしてる、三人目の女がいたのだ。


いつかはこうなるとおもっていたが、なぜ、それを知ってるのかと言うと、
そのレストランに、私は、2年つきあってた彼氏とデートしてて、
今日こそはプロポーズをうけるわたしは、

飛びっきりのおしゃれをして、食事を楽しんでました。


そこへ、現れた社長。

三人目の女が二人の女に気付き、揉み合いに


社長はおどおど、

そして、私は、それに気づきながらも、知らんぷりをしていたのだ。


社長といっても、20人の小さな会社だ。
従業員の顔くらいは覚えてる。



私を見つけるのにはじかんはかからなかった。


見つけた社長は、
『ゆうき、待たせてごめんな。
こいつは、俺のフィアンセ。今日は、君たちに紹介しようと思って』

それを聞いて目が点になるわたし。

その会話を聞いた彼氏は

『よかった。こんな、きれいな格好してくるから、あせったよ。俺も来月結婚することになったんだ。
今までありがとうな。ゆうも幸せにな』

そんな言葉をかけられ、もう、


言葉も発することもできず、泣くことも出来ない、わたしに。

女三人は、そこにあったワインやら水、シャンパンを私にかけ、立ち去っていく。

これを修羅場というのか?

そして。私がなにをしたというのか?

幸せはどこに??社長は、自分の修羅場を見るようではなく、わたしを哀れむように、呆然と立ち尽くす


そして、私はやっと声を発した


「社長-
なぜ私がこんなめにあってるんでしょうか?

状況がつかめないいんですが。」


そして社長は、
『ゆうき、
助かったよ。ありがとな』


私は助けたの?

「社長、責任とってください。」


あの時私は、どうかしてたんだとおもう。
それから、
私のやけ酒に付き合う社長は。

つぶれてしまった私をかかえ、自分の家に持ち帰るのである。



誰かの温もりを感じながら起きた私は、二日酔いで、昨日の出来事も思い出せずにいた。


そして横に寝てる男は?



「社   長?」


なぜ??

なぜ??


私の横で、目を開けて

『ゆうき、おはよう。
昨日はごめんな。』


??
??

なぜ私は社長とベットに?


『昨日、お前つぶれちゃったから、俺の部屋につれてきちゃった。』

なぜ、あなたは、持ち帰る?

『ゆうきと一緒に寝ると、ぐっすり、久しぶりにねれたよ。』


こいつは、何をいってる??

「えーーーーーーーーー。社長
この状況は?まさか。」

慌てて、起き上がり、逃げようとする私の手を握り

『昨日はたのしかった。ありがとう。ついでに
朝ごはん作ってくれない?』

「えーーーー。

わかりました。とりあえず買い物してきます。」

これは、どういう流れ?

きのうの、あの状況から、この状況??

玄関を出て。また、叫ぶ


「えーーーーー。」

社長は慌てて玄関に。

『どうした。ゆうき』


「社長のいえここですか?私の家のとなり??」

『お前んちとなりだったのか?いつも、ご飯のいい匂いしてたから、気になってたんだよ』


そんなコメントいりません。

まさか社長が隣に住んでるなんて。


『ゆうき、俺、風呂はいって着替えてから家にいくから、ご飯よろしく。』
身支度を済ませ、朝御飯の準備をしているとチャイムがなる。

ピンポーン


そして、私は、素直にドアを開けてしまう。

『わぁーいい匂い。楽しみ』

47才のおっさんが、はしゃいでる姿に

なぜか少し安心した。


それから、社長は、毎朝のように、ご飯目当てで、訪れるようになったと言うか。居座るようになった。毎朝のことだが、なぜ同じベットに寝てるかと言うと、わたしを抱き枕と思ってるだけ。

それ以上何もせず、5分で、寝る社長に、居心地がよくなり、3年の月日がながれていたのである。
だけど、この状況で、何もなく、当たり前になってることに。違和感を感じつつ。


もはや、熟年夫婦のようにさえ思えてくる。


そして、毎度のように、彼氏ができても、長続きしない。