あたしはお腹を抱えるようにして立ち上がり後の4人に目を向けた。


「あれ?授業でないの?」 

「途中参加。途中参加」


田上はそう言って「俺の事、言われたら宜しく」と付け加える。


何が宜しくか分からないけど、あたしは頷きドアに向かって足を進める。


「里奈」

背後からの声に振り向くと陸が駆け足であたしの所まで来た瞬間フワッと香水の香りが鼻につく。


「どーしたの?」

「今日、暇?」


両手をポケットに突っ込む陸を見て目線を上げた時、2人の視線が重なった。


陸の視線にあたしはすぐに逸らし「うん」と頷く。


「じゃあ放課後、待ってっから」 

「わかった」


あたしは手に持っているコーヒーを軽く振り「ありがと」と言って屋上を後にした。