ふたつの羽根


まじかでみる有亜は高校生と言う肩書きを捨てて、もう大人の部類に入るくらいの美人だった。

あたしより明るい髪の毛は胸まであり、それが綺麗に巻かれている。

爪も綺麗にネイルされていて、あたしよりも綺麗な化粧の仕上がり…

ほのかに匂う香水の香りが、どうみても大人びていた。

どう考えても、この前まで中学生だったとは思えないほどの顔立ちだった。

そんな有亜と仲良くなって早一年が過ぎ、あたし達も高校2年に進級した。


懐かしく思い出し、ふと隣を見ると険しい顔をした有亜が、あたしを見ていた。

「…何?」

「ねぇ…帰ろうよ」


首を傾げるあたしに有亜は頬を膨らまして深いため息をしブレザーのポケットから携帯電話を取り出した。

カチッ…

と、音がなると同時に有亜の顔が一瞬にして明るくなった。