ふたつの羽根


ゆっくり近づき、手に持っている額をテーブルに置きペタンと床に座り込む。


陸はあたしの身体を引き寄せギュッと抱き締める。


「誕生日おめでとう」


耳元で囁かれた声に、あたしの身体は熱を増す。


「プレゼントありがとね」 

「別に。ってか俺も礼言うのすげぇ遅くなった。Zippoありがとう」


頬と頬が触れ合う感触に、いつもより鼓動は早く打ち付ける。


「Zippo使ってね」

「いや…使わねぇよ。勿体ねぇから」

「バカッ。あげた意味ないじゃん」 


陸はうっすら笑い、あたしの身体をそっと離す。

両頬に添えられた陸の手が凄く温かくて近づいてくる陸の顔にドキドキと胸が高鳴った。


「里奈が好き」