「そうでもしないと、あんた自分から陸の所に行こうとしないでしょ」
これって口実?
彩乃さんの隣に座ってるあたしは、異様に落ち着かなくて2人で乗っていると言う事、事態おかしな事だと思った。
このよく分からない空間。
だけど、今は1分1秒でも早く陸に会いたかった。
陸はいつだって自分の事じゃなくて、あたしの事ばかり考えて優先してくれてた。
あたしの前では、いつも明るい顔ばっか見せて振る舞ってたけど、
だけど陸は…
本当の陸は自分を押し殺してまで、あたしを優先して、
そして寂しがり屋な人。
だからムカついた。
だから腹が立った。
そのムカついたのは陸の全てを全然分かっていなかった…
自分自身。



