膝の上に落ちている小さな紙を手に取り表を向けると陸のザツな字で書かれていた。
【Happy Birthday】
Happy Birthday?
あたしはハッとし、慌てて鞄の中に入っている携帯を取り出しディスプレイを見て目を見開いた。
「…うそっ」
デジタル時計の横に小さく映し出されている文字…
10月2日。
あたしの誕生日だ。
そして着信を示すマークが目につき着信履歴を見る。
そこには溢れるぐらいの陸の名前。
それはあたしが走って逃げた時の時間から刻まれていた。
陸、あたしの誕生日、覚えてくれてたんだ…
羽根が描かれているコップをギュッと握った時、下のほうに小さく小さく削られている文字に思わず目から涙が落ちていた。
Riku to Rina



