ふたつの羽根


仕方なく受け取った紙袋を見て「何ですか?」と呟く。 


「陸からよ」

「陸から?」

「そうよ。謝っても許してくれないと思うけど、ごめんなさいね。大切な日に迷惑かけて」 


彩乃さんはカツカツとヒールの音を響かせて真っ赤な車に乗り込みエンジンをかけた。


あたしは家の中に入り、ふと思った。



…大切な日って何?


部屋に入りテーブルの上に紙袋を置いた。

ずっと見つめていても分かるわけもなく、その大切な日すら分からない。


それにどうして“陸からよ”って言いながら彩乃さんが持って来たのかも分からなかった。 


あたしは紙袋の中に入っている物を全て取り出し目の前に置いた。


…3つの品。