もう、そこまでくると精神的に疲れていた。
だから弱い心のあまり、あたしは拓真先輩に求めてしまった。
辛いものも嫌なものも全て捨てて、よりいっそう何も見えないぐらいに成り立っていればいいのに…。
だけど、そんな夢みたいな事なんてあるわけでもなく現実はただ苦しさと悲しみで追われている。
「あっ」
田上の声で、あたしは現実に引き戻される。
学校まで着き、前方に指差す田上を見て、あたしも目線を前方にうつすと石段に座り両腕の中に顔を埋めている陸が目に入った。
足元には2つの鞄。
見てすぐに分かった。あたしの鞄だ…
田上はうっすら笑い「じゃあねぇ」と言って校舎に足を踏み入れる。
田上の姿が消えた後「陸?」とあたしは声を掛けた。



