時たま石を拾ってポチャンっと川の中に落ちる石の音が胸に響く。
「その後かな…1年の冬、里奈の事知ったの。アイツと付き合ってた時のお前、すげぇ当時の俺と女とピッタリ当てはまってて、“別れろよ”って思ってた。
んで気付いたら里奈の事、気になってて…でも、それと同時に知った事と言えば、陸も里奈の事、好きだったって事」
えっ…
1年の冬って、あの生徒手帳の時だ。
田上はフッと笑い、あたしに目を向けた。
「あっ、けど皆には里奈と陸が付き合ってから、俺が里奈の事好きだったってぶちまけたから。まぁ今となれば笑い話みたいな事」
笑う田上に「それがどーして付き合わない理由なの?」とあたしは今まで閉じていた口を開く。
「ありえねぇ事だけどさ、俺と里奈が付き合ってたとしても俺はお前を幸せにはできねぇ。それが他の女であっても今の俺は幸せにする自信はない」



