ふたつの羽根


こわい…

初めて思った。


人の怒りなんて全然みた事なかったから今、目の前で争ってる2人を見て恐いと思った。


自分の事なのに…

自分の事なのに…


止める事が出来なくて足が前に進まない。


睨み付ける陸を前に拓真先輩は剣幕をたてていく。


「あ?俺が言わなかったら誰が言うんだよ。圭介か?雅人か?まぁ圭介なら言わねぇだろな。だけど雅人なら絶対お前にキレるぞ」


そう声を張り上げた後“里奈ちゃんの事、好きだったんだからよ”と付け加えるかのようにして拓真先輩は呟いた。


…えっ、

ちょっと待って…

今、拓真先輩なんて?田上があたしを…えっ?