ふたつの羽根


「里奈ってさ結構って言うか人気あるじゃん」

人気?

あたしが?

確かに何回か告白されたことはあるけど…

でも純也に遊ばれているようなあたしが人気か。

正直あんま嬉しくないけど…

「ふーん…」

素っ気ない返事を返して、あたしは廊下に出て教室に入ろうとした瞬間、遠くのほうで純也らしき人物が目に入った。

…あれは純也だ。

また女!

「あいつ…」

ふとあたしの口から出た言葉に有亜は「気にすんな」と言ってあたしを教室の中に押し入れた。