「美藤、ボーっとするなよー」
呆れ交じりに言ってくる担任に「はーい」と返す。
全員の名前を呼び終えた担任が教室を出てすぐ目の前の有亜が化粧ポーチを左右に軽く振り人差し指を廊下の向ける。
有亜に軽く頷き鞄から小さいポーチを取り出した。
教室を出て角を曲がると、その先にはトイレ…
トイレと言っても改装したてのトイレはさすがに綺麗。
大きな鏡が4枚も並んでいて、さすがに綺麗だけあって人で溢れかえる。
一番奥の鏡の所で自分の顔を見ていると「里奈って綺麗だよね」と有亜が言ってきた。
「はっ?」
突然言われて、あたしは目を有亜に向ける。
「だから綺麗だねって言ったの」
「あたしが?」
有亜は髪をイジリながら「里奈知らないのー」とあたしに目を向けてきた。



