勢いよく発せられた声に生徒達は席につく。 次々に名前を呼んでいく担任に目を向けていると前の有亜が後ろを振り返り二コッと微笑む。 あたしは有亜に目線を切り替え首を傾げる。 「今日さ…コウキと会うから」 「うん」 コウキと言うのは有亜の彼氏だ。 あたし達よりも2個上で今は大学生。 高1の時の2個上の先輩になる。 やっぱ有亜みたいな大人は年上に憧れるんだろうか… 「…どう。美藤里奈(ビドウリナ)」 担任のデカイ声でハッとして目線を前に向ける。