ふたつの羽根


だけど陸は「好き」と何回も言ってくれる。


だけど、

それだけじゃ物足りなくて… 


「じゃあ抱いてよ」

「えっ、里奈?」


呆然とする陸を目の前に、あたしの手はビックリするほど早く…

自分のシャツのボタンに手がいきそれを全部外していた。 


シャツを脱ごうとした瞬間「やめろよ」と陸があたしのはだけた素肌を隠すようにシャツを閉じた。


だけど、あたしはそれを無視するかのように陸の手を払いのけシャツを脱ぐ。


「お願いだから抱いてよッ」 


張り上げる声に陸はあたしから目線を外し「着ろよ」と声を漏らす。


「嫌。抱いてくれるまで着ない」


本当はこんな事、言うためにここに来たんじゃない。

だけど、怖いんだ。