ふたつの羽根


見事に突き付けられた言葉に胸が苦しくなりはじめた。 

一人で抱え込むって、こんなに辛いんだ…

だけど田上にこんな事を言ってどーする?

解決するわけないじゃん。


「別に何でもないよ。本当に…」


あたしは笑顔で力強く返し「行くね」と言って足を進めた。


田上は納得いかない顔をして、あたしをジッと見続けていた。 




学校を出て一旦、家に帰ったけど気付くとあたしの足は陸の家へと向かっていた。 


チャイムを鳴らすとすぐに出てきたのは陸だった。


「あれ?里奈どーした?」 


陸は驚いた様子で口を開いた。 

だよね…

さっき学校で別れたばっかだし、あたしが今日は帰るって言ったんだから驚くのも無理がない。