ふたつの羽根


小さい時の印象など深く覚えているわけでもない。

でも両親が離婚をして父が最後にくれたこの羽根だけは覚えている。

2枚あった内のひとつ…

後一枚は父も持っているんだろう。

両親が離婚をしたからってお互い嫌っているわけでもない。


離婚をした理由は多分、何かのすれ違いだろう…



机の引き出しを開け一枚の写真を手にして眺める。

笑顔で笑っている小さなあたしの横に父がうつっている。 


はっきし言って写真でしか父の顔は分からない…

別に“会いたい”と、までは思わない。


だって…


あたしには新しいパパがいるから。


中学2年の時に新しいパパが来た。


だから、この写真は思い出にしか過ぎないんだ…